現金書留の思い出

現金書留を利用した。今は封筒が薄いので驚いた。半世紀も昔の話。学生の頃、親からの仕送りは専ら現金書留だった。封書は二重になっており上蓋を何度か交互に折り返し厳重に割り印を捺す。今はもう現金を送る時代ではなくなったのだろう。昭和40年代後半、四畳半一間の学生アパートの家賃は月5,000円位だったと記憶している。隣の部屋からはいつも吉田拓郎のレコードが大音量で聴こえていた。誰かが置いていった共同の二槽式洗濯機は、脱水するには手動で洗濯物を移さねばならず手を入れるとたまに感電するシロモノだったが交代で恐る恐る使っていた。当時宅配便はまだ普及してなかったように思う。長期の帰省の際、荷物は駅留め(国鉄)のチッキで送っていた。チッキという言葉の響きも懐かしい。現金書留から思い出が次々とよみがえってきて、暫しの昭和ノスタルジーに浸る。