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「彼女がもたらしたもの/その2」愛犬ユキの異変に気付いたのは今年のはじめ頃でした。頻尿と排尿痛から始まりました。骨盤の中に広がった腫瘍が直腸や尿道を圧迫しており、排泄には随分と苦しみました。最終的に体重は5.7㎏まで減少しました。積極的な延命治療は選びませんでした。残された時間が長くないとわかってからは、それまで以上に毎日を大切に大切に過ごしました。毎朝きさいや公園でかけがえのない時を過ごし、夜はケージの隣で一緒に寝ました。商用で高知へ行く際にはユキを置いて行くのが怖くて一緒に連れて行きました。帰りのルートを私が間違えて太平洋側の黒潮町に出てしまったことは後々最高の思い出になりました。はじめて見る水平線。ユキはスンスンと匂いを嗅いでなんとも幸せそうで、このまま時間が止まればいいのにと強く願いました。亡くなる前日には大好きなペットサロンのナガサワさんにシャンプーをしてもらいました。今にして思えば瀕死の犬のシャンプーをよくぞ受けてくださったと思います。お互い最後になることがわかっていたので感謝と涙の施術でした。間近に末っ娘の彼氏が初めて挨拶に来ることが決まっており、どうか娘が帰るまでもってほしいと祈るような気持ちでした。(続く)