彼女がもたらしたもの/その1

妹とその娘の有希ちゃん達。11年前ユキは香川県の妹宅で生まれました。耳が立ったばかりのコロコロした子犬をもらって帰る時、有希ちゃんは泣いて部屋から出てきませんでした。彼女の名前から子犬にユキと名付け、初めてのワンコとの生活が始まりました。犬のいる暮らしはただただ幸せで、高齢の私達夫婦が責任を持って飼うことのできる最初で最後の犬でした。柴犬の平均寿命は13~15年くらいでしょうか。僅か4歳で緑内障を発症し長い闘病の日々でしたが、まだまだ傍に居てくれるものと思っていました。悪化した右眼を摘出して以降は驚くべき快復をみせ生まれ変わったかのようでした。やがて末の娘も巣立ち、お父さんとユキとの穏やかな3人暮らしになりました。ユキの異変に気付いたのは今年に入ってからのことでした。(続く)