とんでもない失敗

父が入院中の冬、大雪の上吹雪の舞う夜だった。妹と付添いを交代して母を家に連れて帰る時のこと。車をまわしてくるからと市立宇和島病院の夜間出入口に母を立たせたまま、私は母を乗せ忘れて自宅へ帰ってしまったのである。昼間に父がお別れの言葉を口にしたのでかなり動揺していたと思う。人は時に取返しのつかないミスをするものである。車中に二歳児を降ろし忘れたニュースは不幸な結果に繋がってしまったことに心が痛むのである。