安部公房 「砂の女」

図書館から探していた書籍が入ったとの連絡あり。ずっと読みたかった安部公房の「砂の女」入手した本は恐ろしく年季が入っていた。昭和37年に発行されて以来、この名作は一体どれほど沢山の人の元を廻ったのだろう。古い書物は決して嫌いではないが、書面に付着した手垢や何かしらの液体の痕跡には閉口する。小説のおどろおどろしい内容と相俟ってホラー感が一層増幅されるようだ。書物もここまで劣化が進んだものは貸出図書には不向きとみなされ書庫に保管されていたようだ。「砂の女」は別の手段を使って読むことにしよう。恐怖の結末たるや如何に。