漱石の「こころ」をどう読むか

高校の現代国語で学習した夏目漱石の「こころ」いろんな識者による考察、見解を知ることはとても興味深い。今にして思えば高校生の自分はなんにもわかっちゃいなかったと思うのである。同性愛という言葉も知らなかったし、ましてや夫婦の抱える圧倒的絶望の意味を果たして理解できただろうか。教科書では友人Kの自死に纏わる章で「先生」の心の奥底にある懊悩を読み取る学習をしたと記憶している。年齢を重ねた今、改めて「こころ」を読み返してみると若かった頃とはまた違った捉え方ができるのかもしれない。