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鉛スッテと和霊まつり

その昔、当店が一年の中で一番繁忙を極めたのが和霊大祭当日でした。港に大漁旗を揚げた船が並び、大勢の祭り客で街が賑わうのです。大漁祈願で和霊神社へ参拝した帰り道、イカ釣り漁の道具を求める漁師さんが引きも切らなかったそうです。当時の釣り道具は自家製(自社生産するしかなかった)で、祖父が鉛を鋳って成型し、祖母が裁断した紅白の布で鉛を覆い一本ずつ手縫いでかがりつけるというというものでした。夜を徹して作っても追いつかなかったと言います。入荷したイカメタルを見て、母と語った昭和の時代の思い出話です。